スパイス調味料「ガラムマサラ」で料理のバリエーションを広げよう
”辛い香辛料”と言う意味を持つ、「ガラムマサラ」をご存知でしょうか?スパイシーな香辛料で、カレーなどにも使われるため日本人には馴染み深い香りですね。いくつかのスパイスがブレンドされた「ガラムマサラ」の効能や使い方について詳しくみていきましょう。
2020年03月25日更新
記事の目次
[1]「ガラムマサラ」って何?
ガラムマサラとは主に、インド料理で使われる事の多いインド発祥の香辛料です。シナモン、クローブ、ナツメグの3つが基本のスパイスとしてブレンドされています。
その他にもカルダモン、胡椒、クミンなどがブレンドされている物もあります。
自然なスパイスの香りの中身はどんなもの?
ガラムマサラには色々な香辛料がブレンドされています。ブレンドによっても異なりますが今回は基本のスパイスについてご紹介致します。
■シナモン
シナモンとは、別名「ニッキ」とも呼ばれるスパイスです。世界最古のスパイス、シナモンは料理やお菓子の香りづけなどで知られています。
和菓子などにも使われている為、日本でもとても馴染みの深いスパイスですね。
栄養素が豊富なシナモンは、漢方などにも使われているんですよ。
シナモンにはむくみ解消や、肌の代謝をアップさせる働きがありアンチエイジングにもおすすめで、肌や髪を若々しく保ってくれます。
■クローブ
クローブとは、漢方薬として重宝されているスパイスです。漢方薬として使われているクローブは、胃腸機能のバランスを取り体を温める効果があります。
あまり日本では、馴染みのないスパイスですが、料理の中では肉の臭み取りや焼き菓子などに使われています。
歴史が長いスパイスで、奈良時代から使われてきました。防カビや防虫対策にも優れているスパイスなのです。
■ナツメグ
ナツメグと言えば、ハンバーグなどの料理の中で使った事のある方も多いのではないでしょうか?
漢方薬や、香辛料で知られるナツメグもシナモン、クローブと同じように古くから愛されてきたスパイスの一つです。
香辛料として知られているナツメグには、疲労回復やストレスの緩和などの効果もあり集中力を上げてくれる効果やデトックス効果もあるのです。
[2]「ガラムマサラ」の効果ってどんなもの?
ガラムマサラは、スパイスがブレンドされて作られている物なので、それぞれのスパイスの効能が期待できるミックス調味料と言えるでしょう。
では基本のスパイス、シナモン・クローブ・ナツメグの効果とはどんなものでしょうか?
シナモンの効果
●冷え防止作用・むくみ解消作用・アンチエイジング・代謝促進・疲労回復作用・便通促進作用
シナモンには冷えを防止して、むくみを解消してくれる働きがあります。
ビタミンB1・ビタミンB2・カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛といった栄養素が含まれているシナモンは、身体のキレイスイッチをオンにしてくれます。
特に、ターンオーバーを促す作用あるため、シミ・シワ・そばかすといった肌の悩みも改善してくれる役割もあります。
古い角質を新しい角質に生まれ変わらせる事で、滞ってしまった肌のトラブルを改善に導いて潤いのある肌に生まれ変わらせてくれますよ。
クローブの効果
●消毒作用・鎮痛作用・抗菌作用・鎮静作用・抗酸化作用・血行促進作用
クローブには強い鎮痛作用があり、歯の治療などで使われてきました。歯痛や歯肉炎などの痛みを和らげるのに役立ちます。
その他にも抗酸化作用が優れているため、老化防止のためのハーブとしても知られています。体を温めてくれる作用もあり、消化器系の不調を整えてくれます。
消化器系の不調を整える事で血流を促進させてくれます。胃腸の不調からくる口臭も抑える働きもあります。
ナツメグの効果
●ストレス緩和・疲労回復・消化改善作用・食欲促進作用・口臭予防・デトックス効果・スキンケア効果・不眠改善作用・鎮痛効果
ほのかな甘い香りが特徴的なナツメグですが、ストレス緩和や疲労回復に優れているハーブなのです。
鎮痛作用のあるナツメグは、古代中国では痛みの緩和のため定番の漢方として使われてきました。
関節痛や、筋肉痛など痛みのある個所に直接ナツメグを塗り傷みを和らげていたのです。
その他にも、口の中の細菌の繁殖を防いで口臭を予防してくれたり、肝臓や腎臓に溜まってしまっている毒素を排出するデトックス作用もあるのです。
[3]ガラムマサラとカレー粉の違いって?
ガラムマサラとカレー粉の違いは「ターメリックが入っているかいないか」なのです。インド料理と言われてカレーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
実は、インドにはカレー粉というものは存在していませんでした。カレー粉と同じような配合のスパイスでも、ガラムマサラはターメリックが入っていないスパイス調味料を、ガラムマサラと呼ぶのです。
カレー粉って?
カレー粉とは、イギリスでカレーが広まった時に生まれたミックス調味料の事です。
ガラムマサラと配合されているスパイスはほとんど変わらないのですが、カレー粉を作る際には必ずターメリックを入れるのです。
このターメリックを入れたミックス調味料は18世紀後半にイギリスで生まれたものなのです。
ガラムマサラでカレー粉の代用はできる?
ガラムマサラとカレー粉。基本のスパイス、シナモン・クローブ・ナツメグは変わらないため、代用する事が出来ます。
ですがカレー粉に使用されているターメリックが香りや色、などといったバランスを生み出しますが、ターメリックの使用されていないガラムマサラには色味がカレー粉よりも薄くなってしまいます。
ガラムマサラを使ったカレーは、香りづけや辛みや風味の強いカレー粉を使ったカレーとは少し違った味わいになるかもしれませんね。
[4]「ガラムマサラ」は自分で作れる?
ガラムマサラにはスパイスの配合の決まりが無いため、自分好みに配合する事が出来る為インドの家庭では、手軽に作られ香辛料として重宝されています。
スーパーなどで市販のものも売られていますが、実際に自分で作ると香りが引き立って市販の物よりも、より本格的に感じますよ。
オリジナルガラムマサラを作ろう
今回は一般的な、ガラムマサラの作り方をご紹介致します。オリジナルガラムマサラは瓶などに入れて、冷蔵庫などの涼しい場所で保管をしておけば約2か月ほど持つと言われています。
≪材料≫
- クミンシード(小さじ1)
- コリアンダーシード(小さじ1)
- ビッグカルダモンホール(小さじ1)
- クローブ(小さじ1)
- グリーンカルダモンホール(小さじ1)
- フェンネルシード(小さじ1)
- ブラックペパー(小さじ1)
- スターアニス(小さじ1)
- シナモンスティック(小さじ1)
- ローリエ(5枚)
- ナツメグ(小さじ1)
≪道具≫
- コーヒーミルやブレンダーやすり鉢などの粉末状にするもの
- フライパン
- 保存用の密閉容器(瓶など)
≪手順≫
- フェンネルシード、ナツメグ以外の香辛料を全てフライパンに入れ焦げないように炒っていきます。(この時ローリエの葉は細かくちぎってください)
- 火からおろして粗熱を取ります。
- 粗熱が取れたら、コーヒーミルやすり鉢などで粉末状にして行きます。
- 全てが粉末状になったら完成です。
ガラムマサラは、香りを楽しむ香辛料なので熱を加えすぎると香りが飛んでしまいます。フライパンで炒っていく際は、香りが飛ばない程度に気を付けて炒っていきましょう。
[5]「ガラムマサラ」はカレー以外の使い方って?
ガラムマサラは、カレーの香辛料として使われる事が一般的ですがその他にも、多くの料理で香りづけとして使う事が出来るのです。
チャイ
スパイスの入ったミルクティー、チャイを作る時にガラムマサラを使えばお家で手軽に作る事が出来ますよ。
複数の香辛料が混ざっているガラムマサラを使えば、深みのある味わいのチャイを手軽に楽しむ事が出来るのです。
スープ
ガラムマサラを使ってスープを作れば、いつもよりスパイスの効いたスープになる事間違いなしです。代謝をアップして、デトックス効果も期待できますね。体の冷えなど気になる時には、血行促進作用もあるガラムマサラを使ったスープを飲むと体を温めてくれますよ。
サラダ
ガラムマサラをサラダに使うと、少しエスニック風な味わいになるのです。
温かい料理に使われる事の多いイメージのガラムマサラですが、サラダのドレッシングなどにも使う事が出来るのです。
[6]ガラムマサラを使ってオリジナルスパイスを楽しもう!
様々な用途で使えるガラムマサラは、まさに万能香辛料ですね。いつもの料理に飽きてしまった…なんて時は、ガラムマサラで一工夫すれば料理のバリエーションも広がりますよ。オリジナルブレンド作りに挑戦して、自分だけの「ガラムマサラ」を楽しんでみてはいかがですか?